Canon EOS IXE Canon EOS IXE + EF22-55mmF4-5.6USM 勝手にインプレッション 白状するが、エンゾーがこのカメラを手に入れたのは、実は二度目になる。二度とも、ヤフオクで落札した。最初の一台にはEF24-85mmを付けていたが、あまりに稼働率が悪いので、親戚にあげてしまった。とてもよく写るカメラとして大活躍しているらしく、里子に出した先で可愛がられているので、良かったと思っている。 ではなぜ今になって二代目を手に入れたかというと・・・衝動買いです、すみません。 (↑だから誰に謝ってるんだ(二度目)) 某BBSで「(撮像素子が)APSサイズのデジカメに対応したレンズが発売されると、みんなとは違った意味でときめく」という書き込みをしたAPSファンがいて、それを読んだ時に、きっと何かのスイッチが入ったに違いない。ヤフオクを何気なくチェックしていると、EF22-55mmつきの個体が、べらぼーに安く出品されていたので、思わず保護してしまった。 何度聴いても、「シャキーン」といういかにもカメラっぽい巻き上げ音には、うっとりしてしまう(*^^*)。(55あたりとユニットは同じはずだが、音質がまったく違うのは外装の違いによるものか?謎である) もっとも、かつて定価92000円で売り出されたこのカメラが、今ではボディ単体で9000円でも買い手がつかない。このIXEもまた、APS時代に咲いた徒花であり、バブルの遺産なのである。 当時、APS用として開発された22-55mmは、色物的な焦点距離のレンズとして、一部の広角マニア以外には見向きもされなかったのに、製造中止になった今になって、撮像素子の小さいEOS系デジカメのレンズとして注目を集め、中古相場が上昇しているのは、なんとも皮肉な話だ。 確証はないが、少なくともこのレンズやTixのゾナーなどは、フルサイズのカメラと比較しても遜色がないように、一段厳しい基準でレンズが設計されているような気がする。(気の迷いだな) (IXEに、ニコンの45mmF2.8をつけて見た。似合いすぎてクラクラ(@_@)する) 実際のところ、EOS55とほとんど同等の性能を持ち、APSゆえの小型軽量ボディである事を考えると、スナップ用としては非常に優秀な機体である事が分かる。その上、外装は頑丈な特殊合金製で、貧弱なアルミ外装とは一線を画する。明らかに開発にお金の掛かった、真面目なカメラなんである。 こういうものが、簡単に時代遅れになってしまう現代が悲しい・・・ ちなみに、レンズ交換式のAPS一眼レフは、他にもニコンのプロネアやミノルタのベクティスなどがあったが、どちらもAPS専用マウントなので、メーカーが同じでも互換性がなく、35mm判の豊富な交換レンズが活用できない。(追記:ウソでした。プロネアは35mm用のレンズも使えます) それに対し、キヤノンのIXEやIX50は、バラエティに富むEFマウントレンズをすべて制約なしに使用する事ができる、APS一眼で唯一の完全互換機であることを特筆しておく。 (2003.12.3追記) 「マウントアダプターを介して他社のレンズを付けたときに、普通に使えますか」というお便りを頂いたので、マウントアダプターについて簡単に説明します。 マウントアダプターとは、手持ちのボディに、異なるメーカーのレンズを付けるための「仲介役」です。マウントからフィルム面までの長さの事を「フランジバック」と言いますが、キヤノンのEOSシリーズは、フランジバックが他のメーカーのカメラより短いので、アダプターを噛ませてフランジバックを調整してやる事で、いろいろなメーカーのレンズが取り付けられます。 取り付けが可能なレンズの条件は、基本的に「マニュアル専用のレンズ」に限ります。AFレンズは電気的に絞りを動かすので、マウントが違うと当然コントロールできず、絞りが常に開放になってしまうからです。 MFのレンズをAFボディに付けたとき、制限される機能は次の通りです。 1.オートフォーカス 2.自動絞り込み 3.シャッター速度優先AE 4.各種プログラムモード つまり、マニュアルでピントを合わせ、手動で任意の絞り値を選んだ上での絞り優先AE(Avモード)なら、問題なく使えるわけです。 「2」の通り、レリーズ後の自動絞り込みが働きませんので、絞れば絞るほどファインダーは暗くなります(これを『実絞り』と言います)。実用的な絞り値はF8くらいまでです。 どうしてもそれ以上絞って被写界深度を稼ぎたい場合は、一度開放付近で正確にピントを合わせた上で絞れば問題ないと思います。 (絞り値の変動による焦点移動があるレンズでは、この手法は使えません。また、ボディとの相性によっては、常時露出補正をする必要がある組み合わせもあります) なお、例えばコンタックスのパンケーキレンズTessar45mmF2.8などのように、EOSのミラーに干渉して使用できないレンズもありますので、マウントアダプターを使って遊ぶ場合は、あらかじめ「使用したいレンズが手持ちのボディに使えるかどうか」をネットやカメラ屋さんなどで調べてみたほうが無難です。 余談ですが、上記テッサーはIXEにだけは装着可能です。 (フジツボフードバージョン。メカニカルでよい(*^^*)) 長所 ○標準ズームが望遠ズームになるので、最短撮影距離が異常に短い望遠ズームマクロとして楽しむ事が 出来るようになる。 また、例えば85mmF1.8が106mmF1.8に化けるなど、明るい中望遠レンズにもなる。 ○特殊合金の外装は軽くて丈夫でおしゃれ。アルミ外装の55や7とは一味違う! ○このサイズで、EOS55と同等のスペックを持つ。なにげに高性能なのだ。 ○フィルム途中交換は、使いこなせば便利。(と言っても、APSでISO800だと、さすがに粒状性が悪いが) 短所 ●ファインダーは狭い!ピントもどこに合ってるのか分からない。 ●斜陽のAPSゆえに、リバーサルはISO100しかない(T-T)。 ●画面サイズ切り替えボタンの位置が悪く、気が付かないうちに変っていたりする。 ●仕方ない事だけど、広角側は弱い。ホールディングにも、やや難あり。 超個人的オススメ度(10点満点) ☆☆☆☆ 偏愛度(10点満点) ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆ Yahooオークション出現率(10点満点) ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ *こいつを「お散歩カメラ」として使っている人は、かっこいいと思う。 ただしオークションで買うより、フジヤカメラで買ったほうが安い場合が多い。